ヤマトホールディングスは、効率的な共同輸送を促すため、荷主と物流会社をつなぐプラットフォームを提供する新会社を設立したと発表しました。
トラック運転手の不足が問題となる中、複数の荷主の荷物を一つのトラックで運ぶことで物流の効率化を図ります。今後、幅広い業界から出資を募り、荷主と物流会社の情報を共有するプラットフォームの提供を、2024年冬ごろから運用するとしています。
共同運送を促す背景と取り組み
共同輸送を促す背景として、物流2024年問題による深刻化するドライバー不足や、業界全体の課題である低い積載率、荷主の物流コスト削減のニーズなどがあります。
また、長距離トラック運送は、運転手の拘束時間が長く途中で休息を取る必要があります。運送時間が長くなり、従来1日で運んでいたものが2日かかるようになっています。今までのように、1日で運ぶためには途中で運転手を交代する必要がありますが、高齢化の影響で担い手は不足し運転手を増やすことが難しい状況です。そのため、業界全体で約4割にとどまる積載率を高める必要があります。
ヤマトホールディングス新会社の目的
- ・ 荷主と物流会社のマッチングを行い、共同輸送を促進
物流業界全体の効率化と持続可能性の向上に貢献する重要な取り組みです。 - ・ トラックの積載率を向上させ、配送効率を改善
現在、業界全体の積載率は約4割と低水準であり、これは輸送効率の悪化やCO2排出量の増加などの問題を引き起こしています。 - ・ 慢性的なドライバー不足の解消に貢献
高齢化による担い手不足や、長時間労働などさまざまな要因によって、物流業界の多くは人手不足に陥っています。
取り組み
- ・ 荷主と物流会社の情報を共有するプラットフォームの提供
- ・ 共同輸送に適したルートの提案
- ・ 荷物の混載の促進など
共同運送により、トラックの積載率の向上による、CO2の排出量削減や、物流コストの削減、物流業界全体の効率化などが期待されます。
ヤマトホールディングスの新会社設立は、物流業界の課題解決に向けた大きな一歩と言えます。今後、業界全体の取り組みが加速し、より効率的で持続可能な物流システムが構築されることが期待されます。